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松平の家
梁に地マツをつかった昔ながらの田の字型の間取りの民家を購入し、内外装全面改装した「きとか」の自宅兼事務所。
せっかくなので出来ることは何でも自分たちでやってみたいなと思い、壁を塗るのに使う土づくりから計画は始まりました。三河の土に稲藁を混ぜて何度もかき混ぜ半年ほど寝かせたり、裏山から竹を分けてもらい、割って竹子舞を編んで土壁をつけたり、日干しレンガをつくったり、床に漆を塗ったり、時間はかかりましたが普段できないワクワクするような経験ができました。
ノミやカンナなどの道具をまともに使うのも、真壁造や土間を採用したのも初めて。窓をすべて木サッシにしたのも薪ストーブを設置したのも。。。
石膏ボードや合板などを使うことが多かった僕らは、この家を通じてそうじゃない方法を学びました。天然素材を使うことは、ただ心地いい、風合いがいいだけではなく、無理無駄がなくずっと循環していけるということ。そんな「当たり前」に気づくことができました。
解体時に出た土壁は、水をかけて土に戻せばもう一度使えます。竹や木材も丁寧に解体すれば再利用できます。有害物質が出ない木材などは庭で燃やし、灰をそこらに蒔いておけば土に還ります。ただ、少量ですが部分的に使われていた石膏ボードや合板、システムキッチン、ユニットバスなどはどうする事もできず、しかたなく産廃として処分しました。このことに直面して、現代の建物がいかに大量のゴミを生み出すものなのか、、、という事を考えるきっかけにもなりました。
他にも色んな事を経験できました。ここでは書ききれないので、ぜひ下記の「雑記からのピックアップ」をご覧下さい。僕らが体験したことを、より多く感じとってもらえると思います。
なお、庭や外構工事など未完の部分を含め、家づくりはまだまだ継続中なので、随時更新していきます。
木サッシ:
木工ふくなり
建具や家具の一部:
木工ふくなり
石工事:mos green
天井:板貼り (一部, 柿渋仕上)
壁:土壁中塗り仕上 / タイル仕上
床:無垢フローリング 天然オイル仕上 / 石, タイル仕上
建具:無垢の框戸 / 中古建具
場所:愛知県豊田市
工事:改装 (リノベーション)
建物:木造平屋建て
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面積:87.94平米 (26.6坪)
期間:引越までに1年以上 (設計+工事)
引越:2015年12月 (住みながら工事は継続中)
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工事前に描いたスケッチ
同じアングルからの改装前, 工事中, 改装後の写真
雑記からのピックアップ
菓子まき - 2022.01.04
駐車場横に物置小屋を作ってます。施主が自分達なので普段はやれない事を!と金物を使わない伝統構法の木組みで、建物は石の上に置くだけ、そして板倉づくりに挑戦しています。建前を見学したい方がおり、こどもが沢山集まったので人生初の菓子まきを開催!菓子にむらがるみんなの様子を、上から眺めて投げまくる面白さは施主の特権。菓子まき楽しぎなのでオススメです。
サーキュレーター - 2019.01.24
3年前は回しても扇風機のような涼しい風しかこず、寒いので使うことのなかったサーキュレーター。断熱材を天井全部に詰めこんで回してみると、、、なんと温風を感じる程の変化。室温も20度を上回る程の快適さをキープできるようになり、身を持って屋根断熱の効果を知った2019年冬。早く断熱材の上に板を貼って隠したい。。。
LiVES - 2017.03.14
取材の依頼があり、今月号のLiVESに我が家 (松平の家) が掲載されました。<計6ページ>
豊田の田舎にある家をどうやって探し出してくれたのか、、、家族全員ビックリな展開です。
けやきの家具 - 2016.09.02
松平の家(きとかの自宅兼事務所)に引越して1年半以上が経ち、ようやくお鍋やカトラリーを収納する為の家具が完成した。なかなか重い腰が上がらず伸ばし伸ばしになっていたけど、つくってみると2週間弱での完成。3次元にひん曲がった古い材木たちと格闘しながら少しずつ家具を作り続けた結果、限られた道具でも大分それなりのものがつくれるようになってきた。
巨石 - 2016.07.06
朝顔のつるの誘引が日課な最近。松平の家(きとかの自宅兼事務所)の玄関ポーチの石工事などをしてくれた「mos green」さんが、駐車場の乗入れ工事をしにやってきてくれました。おっきな石持って来て、、、とお願いしたら、持ってきたのが長さ2mほどの巨石とその仲間たち。ゴンゴンの乗入れが出来そうで楽しみ。
※素材の持つ力強さに対しての表現。
掻き叩く - 2015.09.06
外壁を左官屋さんが掻く、掻く、掻く。(モルタル掻き落し仕上)
犬走りを庭師さんが叩く、叩く、叩く。(三和土<たたき>仕上)
今週の「松平の家(kitoka事務所兼自宅)」の様子。
土間 - 2015.08.28
計画中の「松平の家(kitoka事務所兼自宅)」のほぼ完成した土間の様子。(キッチン内の家具とテーブルができたら完成) 下の段は似たアングルの改装前の写真。玄関の位置は以前と同じです。
アプローチ階段 - 2015.08.24
計画中の「松平の家(kitoka事務所兼自宅)」のアプローチの一部である階段が完成しました。掘り返した土に草が生え、輪郭がぼけてくるのが楽しみです。
ピラミッドパワー - 2015.08.16
石にピラミッドパワーを注入しているところ、、、ではなく、庭師さんが滑車を使って石を持ち上げているところ。
計画中の「松平の家(kitoka事務所兼自宅)」での玄関周りの工事の様子。工事はmosgreenの渡辺さんに一任し、こちらから出した主な要望は「神社のような石を方乱形(ほーらんけー)で」とだけ。
※方乱形:方形(四角形)の石を乱張りにして。という意味で勝手に使っていた造語。
外壁はまだまだ途中やりで、庭には物置代わりのタープテントやブルーシートが並んでます。
ミズヤノカミ - 2015.08.03
計画年の「松平の家 (kitoka事務所兼自宅)」では家具もできるだけ自分達で作っていますが、要になる食器棚(水屋箪笥)はデザインからすべてを
ふくなりさんにお願いする事に。先日、途中経過を見に行くと神殿のような構造物がそびえたっておりました。今週、松平の家へとやってきます。銘は「水屋の守 (ミズヤノカミ)」。
人造石洗出し仕上 - 2015.07.12
梅雨が明け、ようやく「松平の家 (kitoka事務所兼自宅)」では外壁の仕上工事が始まりました。腰壁は昔よく見かけた「おこし」のような仕上げです。
途中やり - 2015.01.18
計画中の「松平の家 (kitoka事務所兼自宅)」の外壁は途中やり(下塗りまで)で一旦終了。でもこの状態を見続けていると、なんだか愛着が沸いてきたりするので不思議。トイレは90%完成しており、お気に入りスポットです。
想定外 - 2015.01.11
まだ工事中にも関わらず、昨年末に引越してしまった計画中の「松平の家 (kitoka事務所兼自宅)」。
家の1/4くらいを占める広い土間や屋根の下地材がむき出しの高い天井、断熱材なしの土壁に木サッシ、外の光が見える程の無数の隙間などなど、、寒い条件がオンパレードな家なので、寒さの覚悟はしていました。。。が、想定外にめちゃくちゃ温かい!!前の家の時よりも1,2枚薄着で過ごせる快適さは、大歓迎の嬉しい誤算でした。薪ストーブ最高!!
3枚目の写真は、工事中に見えないようなアングルから撮った我が家の朝の食卓。
家内制天然乾燥 - 2014.12.27
計画中の「松平の家」のリビングのフローリングは、今年の5月に丸太から製材してもらった厚み3cmの杉を貼っています。ただ、、、天然乾燥にこだわった為、半年程度ではしっかり乾燥する訳もなく、途中乾燥の状態で仮敷きをして住みながら乾かす事になりました。どんな変化をしながら乾燥していくのか、、、じっくり見ていきたいと思います。
薪ストーブ - 2014.12.18
計画中の「松平の家」に薪ストーブのアンコール君がやってきました。これで泊まり込みでの作業が可能となり、工事も仕事もはかどりそう。
銅板キラキラ - 2014.11.14
計画中の「松平の家」では、庇や
霧除けなどに銅板を使っています。取付けたばかりの銅板はキラキラで、反射した光が壁や天井に映し出されてきれい。
原寸模型 - 2014.10.21
計画中の「松平の家」に付ける窓の框の太さを検討する為、余った材木で原寸模型を作ってみました。
2,3枚目の写真は仲良くさせてもらっている近所の材木屋さん。この日はトイレやお風呂の建具に使う材料を見させてもらい、材木屋さんの素敵な住まいも撮影。
受け継ぐ - 2014.10.08
計画中の「松平の家」ではキッチンの床張り工事が進行中。大工だったお爺ちゃんが建て、父が育った家を取り壊す際に、またいつか使えるようにと丁寧に剥がして保管しておいてくれた「玄関の床板」を使わせてもらいました。厚くて巾広なゴンゴン板は見た目はかっこいいけど暴れ馬で、反りや不揃いな厚みを調整しながら張っていくのがまぁ大変。大工さんが悲鳴を上げながら仕事をしていました。
効率やコスト重視で簡単に壊して新しいものを買って済ませる「現代のものづくり」と比べ、手間や時間がかかる分、かえって高くついてしまったかもしれませんが、「大切に使ったものを次の世代へと受け継がせる」という、5,60年前までは当たり前だった流れを体験できていることに喜びを感じます。
土三昧 - 2014.08.04
計画中の「松平の家」の7月後半は、土塗り三昧の日々でした。毎日、毎日、土、土、土。
そんな中、、、塗った土壁から稲が発芽しているのを発見!土に練り込んだ稲藁にお米が混ざっていたからでしょう。生きている壁「土壁」。素晴らしい素材です。
燃す - 2014.02.22
計画中の「松平の家」で使用中の焼却炉。暖を取る為に使い始めたんですが、やかんや鍋を置いて湯を作ったり味噌汁を作ったりと大活躍。燃料には解体時に出た木材(ベニヤ以外)も利用しているので、ゴミも減らせていい事づくめ。
三河赤土 - 2013.12.25
一般に戸建住宅を買おうとすると、生命保険で命を担保に30〜35年ものローンを組んで働き続けなければならない昨今。ひと昔前は、その土地から採れるタダ同然の材料を使って、近所の人達の助けを借りて(
結<ゆい>)誰でも気軽に家を持つことができ、お金がなくても豊かな暮らしができていたはずです。
そんな当たり前が当たり前でなくなってしまった現代で、少しでも昔のシステムに立ち返ることは出来ないかなと思って計画をしているのが「松平の家」。土、稲藁、竹など、材料集めのメドがついてきたので、来月「土作り」を行う予定です。(
参考1、
参考2 ) 左の写真は「三河赤土」。これに稲藁と水を混ぜ、3ヶ月以上寝かせて発酵させると右の2枚の写真のような土壁用の
荒壁土になるようで。。。楽しみが膨らみます。
稲藁 - 2013.12.06
計画中の「松平の家」で土壁用の土をつくる為に必要な稲藁を手に入れました。実はこの稲藁、友人が色々と探してくれた無農薬のもの。これを使っての土作りが待ち遠しい。。。
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